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甦った幻の絹「小石丸」養蚕奮戦記 6/6 

絹本来の味を取り戻す

 

小石丸の着物
小石丸の着物

 人工造林より自然林の大切さが見直されているように、絹も再びむかしの蚕種に戻ることによって、我が国の蚕糸業の将来に新しい展望が開けるかもしれない。

 衣の着心地を求めての究極が絹なのに、その目的を忘れた糸作りが現在なされている。"小石丸を飼育する"、これは絹本来の味を取り戻す私なりの小さな抵抗でもある。

 近年話題を呼んだ藤ノ木古墳の裂の糸も、吉野ケ里遺跡から出土した糸端も、調査の結果は小石丸蚕と同種の特性を持っているという。その頃と同じ種類の糸であれば、今後、歴史的資料の復元素材としても活用価値は大きいと思う。

 子供の頃によく聞いたおとぎ話、天女の天の羽衣もきっとこの小石丸で織られたものであろう。夢がふくらむ小石丸である。

 この小石丸飼育の夢を叶えるために、多くの方々のご協カを頂いた。

 農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所、同小渕沢分室、農業生物資源研究所、同宮崎研究室、宮崎県総合農業試験場蚕業部、宮崎県蚕業指導センター、カネボウシルク梶A宮崎県経済連、綾町農協、宮坂博文氏、下村輝氏に心からお礼申し上げたい。

(綾の手紬染織工房代表/あきやま・まさかず)


 原文は「小石丸種であるという。」 吉野ヶ里、藤ノ木古墳の糸は、調査した方から、たぶん小石丸系の糸だろうが、学問的には証明されていないとの連絡がありました。


この記事は平成3年8月月刊染織α糸に掲載されたものです。
その後の事業の展開等により、変化のあった部分については注釈を記入しました。

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