甦った幻の絹「小石丸」養蚕奮戦記 3/6
小石丸の養蚕
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まぶしでまゆを作りはじめた蚕 |
法規制をクリヤーする努力と共に、小石丸の養蚕を依頼する農家の選定が、非常にむつかしかった。毎年減少しつつある養蚕農家は、国内の製糸工場にとっては宝物にひとしい存在となっている。各養蚕農家へは各製糸工場が稚蚕※1を各シーズンに配付して、がっちりと太いパイプで繋がれており、小石丸の養蚕だからといって依頼するにも、製糸工場の了解のもとに何軒かの農家を融通してもらうほか手だてがない。私はこの間題を次のように解決へと運んでいった。
- 宮崎県下の養蚕農家を傘下に持っカネボウシルク鰍フ承諾を得る。
- 農協、県経済連の許可を得る。
- 病害に関する問題(防疫体制)の解決(微粒子病の防止)。
- 収繭量、減収に対する保証、さらには価格を交雑種の何割増しに設定するかの合意。
- 養蚕時期。
- 優良養蚕農家の選定。
平成2年4月17日、県農試にて小石丸飼育現地打合せ会を開いて、初めて関係者が一堂に会し、愈々飼育に向けて具体的に前進する時を迎えた。そして、蚕3令までを県農試で飼育することが決まった。
※3
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まゆの形 |
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収繭したまゆ |
5月初めには官崎県綾町内から2軒の養蚕農家を選定、5月20目に蚕3令虫を農家へ依託して飼育の開始、そしてわずかの桑葉で成育する小石丸飼育についての仕事は順調に進んだが、飼育中の問題として、気温低下の注意、上族が早いこと、まぶし(蚕の部屋)を小さくするなどの課題が出てきた。
5月30目、待望の収繭目、約104kgの俵型に窪んだ小石丸の繭を収穫した。価格は交雑種の4倍と決まった。そしてこの目、宮崎県繭検定所にて乾燥して、38.1kgの乾繭を入手することができた。※3
こうして足掛け5年におよぶ小石丸の実用化への計画は、やっと実を結ぶことになった。しかし、繭のままでは何にもならない。この繭をどうして糸にし、さらにどのような布にまで生かすことが可能かが、次の課題であった。
(※1 訂正・・原文では「蚕種」
※3 現在は工房内で3齢起蚕まで稚蚕飼育をしています。
※3 現在では、乾燥ではなく、冷凍保存の上、生繰りにしています。)
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