ホームへ
コンテンツをお選びください トピック 現代の名工 秋山眞和 工房紹介 店舗紹介 貝紫 藍 小石丸 ギャラリー ショッピング あやつむぎだより 綾の自然 リンク 掲示板
メールはこちらから
綾の手紬染織工房
・過ぎた夏の思い出 2002.07.11
七月下旬、ぎらぎらと照りつける太陽を真上に見ながら、満面ニコニコ顔、カバンの中には通信簿、成績の中身など、あっち向けホイ! 明日からの遊びの段取り、胸ワクワクである。

数少ない部活、子供は大勢といった時代で、無部活クラブ員で好きなことを楽しんだ記憶がある。
されど夏休み、自分勝手な事ばかりはできない。子供といえど中学生となると立派な家族の一員、働き手である。田植えをして一ヶ月位後の頃で、「ハッタン転がし」といって、水田の中耕と除草を兼ねた作業で早朝より出掛け午前中で終わり、また翌日といった具合で、夏休み初期の子供が出来る請負い作業みたいなものだった。
日常の仕事は別にあって、労働用の馬や牛の世話、例えば、寝所の敷ワラの入れ替え、飼料用草の食(はみ)切りなど、農家の子供にとってごく普通の作業だった。
今時の原動機付きのカッターでなく手切りだった。
手元が狂って指先を斜めに切った経験もある。

高度成長時代前の事で農家にテレビがある訳じゃなし、昼飯もそこそこに、水中眼鏡、ハジキ鉄砲、魚継ぎを持って綾北川へ一目散、途中ヨモギの葉を摘んで眼鏡の曇り止めに使う。
中流で冷水が湧く所があって、そういう場所を好む魚がいる。現在では探すのに苦労するくらい貴重な魚種である。
名前は「アイカケジク」、図鑑には「カジカ」という名称で載っている。
子供の力でやっとこさ動かせる位の石を水中に体を沈めてグーッと起こすと、ジーッと身を潜めるブルーの眼色をした頭デッカチ、灰色の濃淡横縞模様、腹は真っ白、顎にはするどいフック状の剣を持っている。一瞬魚と目が合う、間を入れず水中鉄砲がハジける、身の丈二十センチ位の「アイカケ」が暴れる。一匹目の収穫である。石起こしの途中息切れして手を離し、魚に逃げられたり、流れに負けたりして、十匹ほど捕ると家に持ち帰る。夕餉のオカズに、毎日同じ魚を捕った事はなく、鮎、ハヤ、ウナギ、川の状態に合わせて色々な漁法で楽しんだ。豊かな流れ、清水だった。
当時は川の水を直接飲んでいましたよ!

懐かしい夏の思い出です。
『あやつむぎだより』 トップ