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綾の手紬染織工房では、
昔ながらの天然灰汁発酵建てによる、
古法の藍染めを手掛けています。

藍が染まるまでには多くの工程があります。
すくも作り → 藍建て → 藍染め → 洗い
すくもつくり

至高の藍は、豊かな土の恵み。

すくもの文字
綾の手紬染織工房では、徳島産の「すくも」を使っています。
すくもを作るのは、佐藤昭人さん。
19代目の藍師です。


「すくも」という字は、「くさかんむりに染める」と書きます。
インターネットでは表示されない特殊な文字です。
藍の葉

藍の原料は、「藍」という草。
タデ科の一年草で、見た目はタデとよく似ています。

毎年3月上旬、ツバメが渡ってくるのを合図に種をまくそうです。

染料分をたっぷりと含んだ葉を育てるのは、たいへんな重労働です。


藍の畑 広々とした藍の畑。
藍の刈り取り

藍の刈り取りの様子。

 8月から9月にかけて、3回〜4回に渡って刈り取りをします。

藍粉なし

刈り取った葉を粉々にし、風で吹き飛ばして茎と葉に分けます。すくもに使うのは葉の部分だけです。
この作業を、「藍粉なし」といいます。

藍葉の乾燥 細かくなった葉をカラカラに乾燥させます。
すくも作り 水を打つ

いよいよすくも作りが始まります。
刈り取った葉を「床」に積み重ねて水を打ちます。
やがて発酵が始まります。
高温と、強烈なアンモニア臭が発します。

すくも作り 切り返し 高温のすくもの上に素足で乗って、温度を感じながら、切り返します。
藍師は、温度や感触を肌に感じながら、水の加減、切り返しの具合を加減します。

10月から12月まで、約3ヶ月間に渡り、緊張した日が続きます。
貨車のすくも

出来上がったすくもは、12月に出荷されます。
宮崎に届いたすくもは、倉庫の中で一夏保管されます。
毎年約100俵のすくもを仕入れています。

灰汁取り

照葉樹林の恵みをいただく

藍を仕込むには、「灰汁」が必要です。
灰汁(あく)は、文字通り灰の汁。カシなどの堅木の灰でなければ、良質の灰汁が取れません。
ところが現在はこの灰がなかなか手に入りにくいのです。
宮崎県は樫の木がたくさん取れますし、水がきれいなので、藍染めにうってつけの地です。
? まさに森の恵みですね。
灰を入れる 灰汁取り場。
まず、桶の中に灰を入れます。
灰 樫灰。
灰汁 熱湯を注いで、時間をかけてゆっくり濾過します。
茶色っぽい色をしている液が、灰汁です。
藍を仕込む

見えない生き物の力を引き出す

藍を染めるには、甕の中に仕込んで、発酵させなければなりません。
発酵とは、微生物が生きているということ。
つまり藍染めとは、生き物と対話し、ともに生きるということなのです。
すくもを踏む 藍瓶にすくもを入れます。
綾の手紬染織工房の瓶は、3石〜4石(540〜720リットル)の容積があります。
一般的な藍瓶は1石5斗ですから、2倍以上の大きさがあります。
すくもに 温めた灰汁 を入れて、瓶に入ってしっかり踏んですくもと灰汁をなじませます。

写真の通り、かなり深いことがわかると思います。
仕込み 焼酎を入れる

 発酵を促すために、焼酎と貝灰を入れます。
 この後、毎日朝夕混ぜて、藍の発酵を待ちます。
 仕上がるまで7日から8日かかります。

※貝灰=貝を焼いた灰

発酵を待つ 仕込んで2日目。
貝灰を入れる

5,6日目。
発酵が進んで、しっかり華(泡)が立っています。
 発酵を抑えるために、貝灰を入れます。
 半日後にさらにフスマ(麦の皮)を入れて、発酵を促します。

仕上げ  7,8日目。
  仕上げです。
 灰汁を足して、貝灰を入れて、発酵を安定させます。
 仕上げには濃い灰汁を使います。
 藍を混ぜているところ。
 この写真は、仕上がった直後ですが、この後も藍の発酵は続きますので、毎朝夕混ぜます。
仕上がった藍

藍の表面に浮かぶ泡を、「華(はな)」と呼びます。
華の立ち方、匂い、混ぜたときの手応え、音、味、などを感じて、藍の調子を整えます。

藍が疲れているときは、焼酎、ふすま(麦の皮)、みずあめなど、栄養を与えます。藍の環境を整えるために、貝灰、灰汁を入れます。また、常に温度を一定に保たなければなりません。
目に見えない生き物と対話しながら、染めるのです。

染める

命の色をすくいあげる。
くり返しくり返し染め重ねる

 
藍を染める 白糸 薄い灰汁に浸してしっかり水分になじませた白い糸を竹竿に掛け、藍液に浸します。
ムラにならないように、上下繰り返します。
液になじんだらつけ込みます。
糸を引き上げる

液から引き上げて、

絞る しっかり絞ります。
染まった

広げると藍の色が現れます。

ここまでで一工程です。

 藍は、空気に触れ、酸化することで発色します。
 浸け込み→絞り→酸化を繰り返すことで、徐々に濃くなっていきます。
 液中に長時間つけ込んでいても 濃くなりません。

糸を絞る 濃い藍色、紺色を染めるには、十数回繰り返さなければなりません。
藍染め場